国家公安委員長殿

自転車 法 論

承前。以下のメールを発信しました。同志各位のご参考に供します。


国家公安委員会　kokkakouaniinkai@npa.go.jp　(「氏名、年齢、連絡用メールアドレスをご記入ください。」との註記があります。)

日付: 2005/04/25 月 午前 01:31:59 GMT+09:00
宛先:
件名: 「自転車は車道を通るべからず」とする法改正について



国家公安委員長殿



冠省　今般、警察庁が道路交通法改正法案として「自転車は車道を通るべからず、歩道を通ること」という内容のものを国会提出すべく準備しているとの報(参考:雑誌記事引用)に接しました。
　この真偽につき、去る4月21日、警察庁に電話で紹介したところ、広報担当から、「その真偽含め現時点で公表すべき事項はない」との趣旨の回答を得ましたので、この点、改めて貴職にお伺いする次第です。


　もしこのような内容の法改正が実現されるならば、道路交通や国民生活などに及ぶ影響はきわめて大きなものがあると存じます(註:私見)。よって、国会への法案提出に先立って、広くその内容が明らかにされ、国民世論を十全に反映した合意形成のもとに法改正手続が進められることを求めます。
　具体的には、改正趣旨の早期公表、有識者会議等による公開の場での検討、所謂パブリックコメント手続など、先の道路交通法改正(2004年6月9日法律第90号)での過程に準じた手続が不可欠と考えます。

　
　以上、報ぜられた内容の真偽及び貴職の見解をご回答いただければ幸甚です。
　なお、十分なご回答が得られない場合は、警察庁に宛て、情報公開法に基づく開示請求を行うことも検討していること申し添えます。
　併せて、本状及び貴職のご回答をインターネット上に開示することもお含みおき下さい。匆々



註:私見


　歩道を歩行者と自転車が共有するとした場合には、歩行者が優先され、歩行者の保護義務を自転車が負うことは至当である。道路交通法第63条の4第2項が歩道における自転車に徐行義務・一時停止義務を課しているとおりである。
　しかし、自転車の歩道通行は、次の2点において問題がある。


　第一に、自転車が歩行者を優先すべき義務が多くの場合履行されていない。このことから、優先されるべき歩行者の安全が自転車によって脅かされているのが現状である。この問題は、高齢者や心身障碍者など所謂交通弱者において、より重大なものである。


　第二に、自転車は効率よく運用すれば、交通機関として自動車に代替しうる可能性をもつ。いいかえれば、自転車は、交通の自動車への過度の依存を是正することによって、交通の混雑などを緩和し、かつ地球温暖化防止など環境改善に貢献しうる可能性をもつ。しかしながら、自転車の歩道徐行を前提とする場合、この可能性は事実上失われてしまう。


　以上、来たるべき高齢化・高福祉社会、あるいは地球環境保護といった観点からも、自転車の歩道通行容認は失当である。



2005年4月25日
(本名・年齢・メールアドレス略)



参考:雑誌記事引用


1　「(前略) なんでも警察庁は「自転車は車道を通るべからず、歩道を通ること」という法案を作成中だという。(中略) 今通常国会への提出は見送ったものの、早ければ来年、そうでなくとも再来年に提出、という。(後略)」
文/疋田智「東京24区。疋田区長の自転車政(まつりごと) 第2回−歩道に自転車を上げるって!?(怒)」
"funride"2005年5月号、㈱ランナーズ、67頁所収。


2　「(前略) 警察庁は現在「自転車は車道を通るべからず、歩道を通ること」という法案を作成中なのだそうだ。今通常国会への提出は見送ったものの、早ければ来年、そうでなくとも再来年に国会提出、を目指しているのだという。(後略)」
同「自転車ツーキニスト疋田智の"現場から生中継" vol.38『ママチャリがもたらした』看過できない動き」
"BiCYCLE CLUB"2005年5月号、㈱*(えい)出版社、172頁所収。
　*偏「木」旁「世」

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メディア融合？

芸 読書

事故報道のさなか不謹慎の謗りを免れませんが。昨晩書きかけてたものですから。


「あいるけ」は舞台のひとつに地元駅が登場して以来、しばらく講読してたものの、さすがに延延と続く濡れ場にいやけがさして、最近は殆ど読んでませんでした。したがって、文化面はまったく見ずにしまうこともしばしば。
ところが、週末に古新聞を眺めてて吃驚。道交法改正の噂騒動もあって忙しかった日の朝刊です。


伊藤博康(いとう・ひろやす=@nifty鉄道フォーラム主宰)
「踏切の珍品 通過待ちの妙　自他認める『フミキリスト』、変わり種探して撮影」日本経済新聞、4月21日朝刊。


「日本の“珍々”踏切」の著者代表その人の寄稿でありました。
掲載の著者近影は見覚えがあるはずだ、22日24時すぎ放映のテレビ番組「タモリ倶楽部」に出演されてたおかたではないか。
番組の概要については、lowracerさんがまとめてくださっています。