電鼓3題

過日のsakusakuに関するKatzen_Talさんのコメントを契機に、bikeerxさんがエレドラ特集ディープな頁も紹介されてます。


1 "synthesized percussion"
ふるくはELP、'73年の"brain salad surgery"(1)及び'74年の実況盤(2)所収の下掲曲。
実況では、"featuring Carl's synthesized percussion"というような曲紹介をきいた記憶があります。具体的な商品名などはクレジットにもなかったはずです。
感じとしては、第一に、ティンパニのような楽音にVCFなどで加工を施したもの。第二に、太鼓をトリガーとしてMoogを駆動する、といったものではと思います。
恐怖の頭脳改革 2レディーズ&ジェントルメン
"toccata"
 an adaptation of Alberto Ginestera's 1st Piano Concerto, 4th movement
 arrangement: Keith Emerson
 percussion movement: Carl Palmer
この曲はELP作品のうち最も美しいもののひとつではと思ってます。古くささは感じません。ということは私がすでに古いのか。
まあ、ハモンドの音色が今様ではないとはいえるかもしれません。


2 ULT-sound
YMOというか高橋幸宏といえばやはりULTの印象が強いですね。高橋の演奏では、加藤和彦"radio cabaret"など「うたかたのオペラ」(5)でも効果的に使われてました。
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そういえば'80年秋ころ、"finger dancin'"(6所収)を出したばかりの高中バンド、NHK-FMの実況録音の"ready to fly"でULTらしき音が鳴ってました。実況盤では'79年12月(4)でも'81年3月(7)でも使われてないから、ごく一時期だったみたいです。
ULTはいかにも電子音という感じで、その効果を狙って使える範囲は自ずと限られますね。
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3 Simmons
Simmonsは自然音のようなのも合成できるようで、用途が格段に広がったと思います。


第一人者はやはり William Bruford。'84年4月、King Crimson 東京公演の鑑賞体験は我が生涯の宝です。
ドラムセットに組み込まれてるほか、背面に垂直に並べたのをソロに使うとか、水平に数枚を並べて音階をチューニングしてミニマルのリズムと旋律をたたきだすとか。この人、この演奏のためにこそSimmonsは存在するのだ!と思ったことでした。
映像作品"three of a perfect pair - live in Japan 1984"(10)は最近"Neal & Jack & Me: Live 1982-1984"(11)として再発となりました。Fripp先生の練習風景が一瞬収められているのも見ものです。unpluggedでメトロノームに合わせてつまびくのは、"starless and Bible black"(3)所収"fracture"。


Brufordの教則ビデオがあったはず!と思って探したらありました。"Bruford & the beat"(9)。"discipline"(8)表題曲のリズムパターンを解析するところなど圧巻。'82年のクレジットがあります。現在も入手可能のようです。


'87年ころ、渡辺香津美・Jeff Berlin とのトリオでの演奏もSimmons多用。映像作品"the spice of life in concert"(12)も残されてます。最近DVD化されました。
ドラムソロでは、Simmonsでさまざまなパーカッションの音色が披露されるかのようです。金属音、鐘のような音、弦をたたくような音などの心地よさは筆舌に尽くし難し。
ディシプリン(紙ジャケット仕様) 9Bruford & The Beat [VHS] [Import] 10Three of a Perfect Pair - Live in Japan 1984 [VHS] 11Neal And Jack And Me - Live 1982-1984 12THE SPICE OF LIFE IN CONCERT [DVD]