コリア談義

些か舊聞ですが。Kuyuさんの日記4/10付での話題をうけて。いえ、半島の国ではありません。
まずは馴れ初めから衝撃作との出会いまで。語れば尽きぬ話題なんですけど。


コリアは'77年ころ、早熟な幼馴染に"Return to Forever"の電化作品を教えられたものの、当時は専攻のプログレだけで手一杯という感じでした。
その後、ハンコックとのピアノ重奏の武道館公演をFMで録音して暫し聴いてましたけど、ほどなく消去してしまいました。
録音機TEAC A-160の磁気ヘッド角度ずれが判明。修理したところ、ずれた状態で録音されたものを正しい状態で再生すると、高音域が落ちて聴くにたえないものだったのです。


初期の代表作゛la fiesta゛はこのときの演奏で初めて聴きました。他の曲はジャズというより現代音楽っぽくて、とっつきにくい印象でした。
レコードはコリア側(1)ハンコック側(2)からそれぞれLP2枚組が出てたことを後に知りました。


1"Corea/Hancock"
2"Herbie Hancock and Chick Corea in concert"
3"Chick Corea and Gary Burton in concert,Zuerich,October 28,1979"
1デュオ・ライヴ 2イン・コンサート 3チック・コリア&ゲイリー・バートン・イン・コンサート


次の出会いは、未だジャズの洗礼を受ける前、あまりジャズとは縁のなさそうな学友から、これすげーぜ、とすすめられた3。
ピアノと鉄琴の重奏です。鉄琴は4本マレット、つまり、げんこつを握って、指の間に鉄琴のばちの柄をはさむようにして、両手で4本を持つわけです。


異なる音色の打音が舞うように、泣くように歌う。
ピアノのリズムが鉄琴を煽る。ピアノの音の彩りの限界を鉄琴の余韻が超越する。
2人の名手を得て、補完・相乗などといった範疇を超越する楽音がまさに紡ぎだされるかのようです。


'81年ころだったか、来日公演の実況放送のときは、FMチューナーを持ってる友人宅へ押しかけて録音させてもらったりしました。
NHKテレビでの放映もありました。当時は知己でビデオなんて持ってる人は皆無でした。
今手許にある輸入VHSは、おそらくこのときの放送素材の製品化と思われます。
海賊版ではなさそうだけど、その後LDやDVDでは見かけたことがありません。コリアの魅力を最もよく伝える演奏のひとつと思います。