だいじなものと不在

昨日付からつづく。


ストレス耐性を高める方法はいくつもある。たとえば、人生でだいじなものを明確に自覚することが耐性を高める。


自覚してないだけで、だいじなものはある。どうしたらそれに気づくか。
失って気づく。限界状況で気づく。


まず、自分にとってだいじな、ものと人と時間、および自分の性格の好きなところ、それぞれ3つずつ、計12枚の紙片に書き出して並べる。
そして想像してみよう。


ある日体調を崩して病院に行く自分を想像する。
検査を受け、結果の出る日を待つ。
深刻な面持ちの医師に余命3ヶ月と告げられる。


想像する場面の節目ごとに、だいじなものなどを書き出した紙片を何枚かずつ手にとって、お礼とお別れを告げ、破り捨てていく。


残された3ヶ月で何をするか考える自分を想像する。
できることは意外なほど少ない。
体調は日増しに悪化する。外出できなくなり、家で寝つき、入院に到る。
しだいに眠っている時間が増え、やがて食事もとれなくなる。


寝台の周りから覗きこむ家族の顔がしだいに霞んでくる。闇の訪れ。死。
自分の人生でだいじなものは何だったのか。


そして。生まれ変わる自分を想像する。
親を選ぶ。どんな自分もどんな人生も選択できる。そこでだいじなものは何か。