分離できないなら禁止

9月か10月ころでしたか、小田急新宿駅のプラットホームを歩いていて、煙草のにおいを感じました。全面禁煙なのに。
さては不埒な喫煙者か、何処、と見回しても見あたりません。


こういうことが何度かあったあと、においの元に思い到りました。
発車待ちの特急ロマンスカーの喫煙車が汚染源のようなのです。開放された扉からか、換気扇からか、煙がにおってくるようです。
この駅は屋内なので、ガスが滞留しやすいのかもしれません。


その後、会社の所管部門と電話でお話ししました。


我 「停車中の喫煙車から煙が出てきては、駅内全面禁煙とする意味も半減する。改善を求める。」
彼 「喫煙車の煙を分離して処理するには相当の設備投資を要する。」
我 「料金に転嫁して喫煙者から回収すればよい。」
彼 「現実的でない。」


我 「禁煙の駅に停車しているときは、喫煙車と雖も車内禁煙とすべきではないか。」
彼 「きまりを徹底するのが難しそうである。」


我 「乗車時間が最大1時間半ほどなのだから、全面禁煙としてもいいのではないか。」
彼 「予て全面禁煙は検討している。しかし、相互乗入れしているJR東海の列車に喫煙車があり、これとの調整ができていない。」
我 「全面禁煙となっても、直前まで喫煙車として使用されていた車輛には煙草のにおいが残る。この点にも配慮されたい。」
彼 「承った。」   


このかいあって一昨日付発表、小田急電鉄 ニュースリリース第06−39号 2006.12.22(PDF)。太字原典。

2007年3月18日(日)から
特急ロマンスカーを終日全面禁煙化します


 (略)。
 当社では、これまで健康増進法に基づき、全駅における終日全面禁煙化など、日々多くのお客さまにご利用いただく鉄道施設での受動喫煙を防止するための対策を講じてきました。
 特急ロマンスカーについても、喫煙車両や喫煙ブースを設けて分煙を図ってきましたが、禁煙志向が高まる中、喫煙車両や喫煙ブースから流れ出す臭いや煙について、多くのご意見が寄せられていました。当社では、こうしたご意見に対し、受動喫煙を防止するべく検討を重ねた結果、特急ロマンスカーの乗車時間は、主要運転区間である新宿〜箱根湯本間でも約85分と比較的短いこともあり、お客さまにより快適なご利用環境を提供するため、全車両を終日禁煙化させていただくこととしました。これにより、当社の全70駅、全列車がすべて終日全面禁煙となります。
 なお、現在当社では、東海旅客鉄道株式会社(本社:愛知県名古屋市 社長:松本 正之)と、新宿〜沼津間で、特急列車「あさぎり号」の相互直通運転を行っていますが、JR御殿場線に乗り入れる特急ロマンスカーおよび当社線に乗り入れるJR東海の特急列車についても終日全面禁煙とします。
 (略)。

思うに、煙を隔離できなければ分煙ではありません。分煙できなければ禁煙も已むをえないでしょう。
煙草は大人の趣味なんだそうです。趣味は時と所と状況をわきまえて嗜むものですね。