事実と想像と私見


column@nak”にて、「Webビジネスコンサルタントのネタ帳 : セグウェイとイラクと日本」という記事が紹介されています。


セグウェイ」という電動二輪車。この商品について警察庁の判断は、昨年3月までに公表されていたようです(註)。
その内容は、セグウェイは自動車または原付自転車に相当、運転免許や技術基準適合を要する、歩道通行は適当でない、というものでした。


きょうの報道によると、法令の基準を満たさないセグウェイを昨年7月のイベントで公道走行させたとして、警視庁は主催者を本日書類送検したとのことです。


新聞報道
産経「ブレーキなしは整備不良…セグウェイ走らせ書類送検」
読売「『セグウェイ』で公道走行、道交法違反で書類送検」
朝日「『夢の乗り物』セグウェイ、公道はダメ 警視庁が立件」
毎日「セグウェイ:試乗イベント実施の社長を書類送検 警視庁」


被疑者は最近まで海外を旅行していたそうです。「帰国したら!書類送検!」


被疑者の海外での行動とセグウェイ公道走行摘発に何らかの関係を想像させるような事実には、私は未だ接していません。


私見を付言すれば、日本の道路交通の現状を鑑みるに、セグウェイの歩道通行を容認することは現実的でないと思います。
自転車通行可の標識のない歩道での自転車走行が横行し、しかも徐行義務や一時停止義務すら守られていないのが現実です。
私は自動車に怯えながら自転車に乗りたくないのと同様、自転車やセグウェイに怯えながら歩道を歩きたくありません。


法令違反が問題となる以前に、セグウェイという新たな道具が日本の道路交通社会に定着するには、残念ながら社会資本も遵法意識も極めて未熟といわざるをえないのではないでしょうか。


註: 以下、セグウェイに関する警察庁の判断について、昨年10月1日に調べた結果です。


1. 結論


1.1 結論
1.1.1 「セグウェイ」は自動車または原付自転車に相当する。
1.1.2 「セグウェイ」の歩道通行は適当でない。


1.2 補足
1.2.1 2.2.3より要約。
セグウェイ」は、道路交通法上も道路運送車両法上も、自動車又は原動機付自転車に相当する。
これらは、道路交通法に定める運転免許を受けなければ、運転することができない。
また、道路運送法に基づく技術基準に適合するものでなければ、歩道、車道を問わず、道路を運行することはできない。
1.2.2 2.1.2より引用。
道路交通法上の自動車又は原動機付自転車にあたる「セグウェイ」を「歩行者」として位置付け、歩道を通行させることは、最高速度の制限が可能であるか否かに関わらず、歩行者が衝突し、死亡、負傷等の被害を受ける危険性が高くなることから、適当でない。


2. 出典


2.1. 「規制改革集中受付月間」(6月1日〜30日)について
   平成15年5月9日 内閣官房構造改革特区推進室 内閣府総合規制改革会議事務室
2.1.1 (別紙1)構造改革特区の第3次提案募集について
2.1.2 別添2 特区において認められなかった事項の論点整理(各省庁からの回答) 警察庁


2.2. 省庁からの回答 内閣官房構造改革特区推進室
2.2.1 構造改革特区の第2次提案に対する各省庁からの回答について 平成15年1月28日 警察庁
2.2.2 構造改革特区の第2次提案に関する構造改革特区推進室からの再検討要請に対する各省庁からの回答について 平成15年2月7日 警察庁
2.2.3 構造改革特区の第2次提案に関する構造改革特区推進室からの再々検討要請に対する各省庁の回答について 平成15年2月28日 警察庁
2.2.4 構造改革特区の第2次提案募集に係る提案主体からの意見に対する各省庁からの回答 平成15年3月26日 警察庁 目次 回答

3. 参考
3.1 提案主体 株式会社ネオテニー
3.2 報道等  毎日新聞2003-01-27「■幕張メッセ、成田空港周辺にセグウェイ特区検討」