リンクは繋がったか

まめさんのところで、ぽた郎さんからライヒ沼への誘惑。


ライヒはミニマルの大家としてその名はきくものの音を聴く機会のないまま今日に到っていました。まめさんとぽた郎さんのおかげでmissing linkが繋がりそうです。
お薦めの2作を聴いてみました。
Steve Reich, Beryl Korot "three tales"(1) Steve Reich & Ensemble Modern "music for 18 musicians"(2)


なるほど、アンビエントやテクノの源流にライヒがいたということがわかるような気がします。
ただ、ここ数日間のライヒ体験では、私には濃ゆすぎるような、、
この濃ゆさを受け入れる素地はあるはずなので、位相が一致すれば一気に共振して深淵にはまるかも。


残る課題は次の2作。
"drumming"(3) Kronos Quartet, Pat Metheny "different trains, electric counterpoint"(4)


1Three Tales (CD & Dvd) 2Music for 18 Musicians 3Drumming 4Electric Counterpoint / Different Trains, Electric 5Evening Star


源流のライヒに到る下流または支流のようすは次のようでした。


'75年夏、NHK第一にしか放送枠をもっていなかった渋谷陽一氏が、NHK-FMで特別番組「ロック夏期講座」を開講、その掉尾を飾ったのがKing Crimson "starless"とFripp & Eno。衝撃的でした。
その5年後、貧乏kogがなけなしのお小遣いをはたいて購入したのが"evening star"(5)。環境音楽的なるものとの本格的な出合い。
しかし今から遡ると、なお実験的要素と生硬さが残るようです。


'70年代後半以降、環境音楽は実用域に達した作品が多数出てきます。kog的20代以降の思索の背景音楽を代表するのは次のようなものです。
Brian Eno "music for airports"(6) "on land"(7) "Thursday afternoon"(8)
Harold Budd / Brian Eno "the plateaux of mirror"(9) "the pearl"(10) Michael Brook "hybrid"(11)
音楽を意識させない音楽。やすらぐにも、集中するにも、聴き手を拘束しない音ならぬ音の流れ。


6Music for Airports  7オン・ランド(紙ジャケット仕様)  8Thursday Afternoon  9Plateaux of Mirror 10The Pearl 
11Hybrid 12Tour De France 2003  13Autobahn 14Trans-Europe Express 


ミニマルの要素に関しては、そのノリモノ的展開各種をKraftwerkが実践してます。
自転車篇"Tour de France"(12)
自動車篇"Autobahn"(13)
列車篇"Trans-Europe Express"(14)
"Autobahn""T.E.E."を初めて聴いたときはそれほど感銘を受けず。ライヒ開眼を機に四半世紀ぶりに改めて聴いてみたら、なかなかよいですね。"T.E.E."は少し落ちるか。


考えてみると、Virgin label第1回作品というかの古典もミニマルの範疇に属するのか?
Mike Oldfield "tubular bells"(15)
冒頭部は幸か不幸か映画音楽として有名になってしまいました。
'74年末にFM放送で、A面の後半部を聴いたときは、それまでの音楽観がひっくり返るような衝撃をうけたのを覚えています。
最近、2003年DVD-audio版dts5.1ch(16)というのが出ました。これも凄い。長生きはしたいものです。


15Tubular Bells 16Tubular Bells 2003 [DVD Audio] 17案山子

さらに、最近話題の清水靖晃の諸作とか。そういえば、「案山子」(17)という前衛作もありましたね。
「案山子」や"Tour de France"は、最近のテレビの報道番組の背景音楽に使われてるのを何度か耳にしました。


うむー、こうしてみると、ミニマルに関してはやはり素材加工が進み消化のよいものを好むのか?いかにナマモノ喰ひのkogとしても。