ライヒ沼その後

kogkog2004-02-19



前回課題作
1.Steve Reich, Beryl Korot "three tales"
2.Steve Reich & Ensemble Modern "music for 18 musicians"
今回課題作
3.Kronos Quartet, Pat Metheny "different trains, electric counterpoint"
4."drumming"


3.4.ともに、1.2.よりもずっと親しみやすい印象でした。
よく考えてみると、ギターやパーカッションによるミニマルへのアプローチというのは、もしかしたら、King Crimsonで、たとえば"lark's tongues in aspic"などで先刻おなじみだったのかもしれないと気づいたのでした。


わずか数日、1.と2.を聴いたかぎりでは、その方法論はもしかしたら材料工学に通ずるのか?との印象がありました。
適切な喩ではないかもしれませんけど、つまり、アンビエントやテクノからみると基礎研究のような。


あるいは、かつて、Miles Davisの音楽をあとづけて、'60年代末の電化音に到ったときの戸惑いを思い出しました。
言ってしまえば、はたして作品そのものにどれだけ惹かれるのか、という疑問です。
Miles Davis音楽史上の役割は、その門下から、'70年代以降の音楽の尖端を切り拓く旗手たち、すなわちHerbie Hancock、Chic Corea、Keith JarrettJoe ZawinulWayne Shorterらを輩出したところで終焉しているのではないか、とさえ思ったこともありました。


しかし、所謂電化マイルスに多く接するうち、やがて音それ自体のもつ迫力に圧倒されるようになってきたのです。
最近では、"Jack Johnson"の思わぬ再発見を体験したりして。


今回課題作の3.4.からは、音の美しさを感じとることのできる瞬間がいくつもありました。
当然ながら、ミニマルという方法論など意識させない。シーケンサーでは絶対に出せないうねり、ゆらぎ。
揺籃でも、素材でもない、美しく完結した作品にほかならないとわかりました。
愈々病膏肓に入るも近いか。