講読前雑感

ノーマン,ドナルド・A.、野島久雄訳「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論」
新曜社認知科学選書、新曜社、1990年。 ISBN:478850362X
(Norman, Donald A."THE PSYCHOLOGY OF EVERYDAY THINGS")
誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

6/15付コメント欄にてw3mさんご紹介の上掲書、本屋でみたら重そうだったので購入は別途として。講読前に思いあたるふしを少々。
主として事務屋の仕事から。


1. 認識と記述


 1.1. 自然言語と数値


 1.1.1 現実を自然言語で記述する際、まず所謂端緒問題が生ずる。
  すなわち、森羅万象を切り取り、始めと終わりのある一連の言語の流れとして記述する際の主体の認識が問題となる。
  現実は、KJ法PERTなどのように、二次元の面の上に図形のように記述されることもある。


 1.1.2 現実は自然言語でなく数値によっても記述されることがある。数表やグラフの構造は主体の認識を反映する。


 1.2 認識と技術
  1.1.においてデザインの技術が有効となるかもしれない。
  しかし、主体の認識の限界をデザイン技術によって超えることはできまい。
  ただしデザイン技術が主体の認識を変えることはありうる。


2 表現と伝達
 1.は表現され伝達媒体となるとき、複数の主体が共有すべき問題となる。


3 内部統制
 複数の主体にとって書式のデザインが所謂内部統制のように機能することがある。
 一定の書式に所要の情報が補充記入され伝達されるとき、書式それ自体に、記入者の特定の注意を喚起し
 記載もれや記載誤りを防ぐ機能をもたせることができる。
 成文の規範は、制定されたうえで記憶または参照され、遵守されることが期待される。
 書式のデザインはこの機能の一部を代替しうる。


そもそも、デザインとは何か。