娯楽作品

nspaletteさんの日記6/25付でとりあげられた文献と同じ著者の作品について。
以前、みはみはさんとの会話の中でも話題になって、いずれ日記に書くから、って言ったきりになってました。
というわけで、これを機に書き溜め倉庫から出してきて掲載。


山田真哉「女子大生会計士の事件簿」
1 「〈DX.1〉ベンチャーの王子様」角川文庫、2004年。ISBN:4043767013
2 「〈DX.2〉騒がしい探偵や怪盗たち」角川文庫、2004年。ISBN:4043767021
(初版 1「女子大生会計士の事件簿」英治出版、2002年。ISBN:4901234250
     2「同〈2〉」英治出版、2003年。ISBN:4901234285)
1女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様 (角川文庫) 2女子大生会計士の事件簿 DX.2 騒がしい探偵や怪盗たち (角川文庫)
読みものとして楽しめました。公認会計士の書いたものにしては、との注釈はいらないと思います。
さすがに娯楽専門作家なみのできばえとはいかないのかもしれませんが。といって、私も娯楽小説は殆ど読まないのですが。
推理小説短編集の趣きです。巧みな伏線と落ちが随所に用意されてます。登場人物も生き生きと描かれているようにみえます。
会計などの分野に親しみのない向きにもおすすめできそうです。


粉飾や不正行為の手口やそれを発見する監査手法などは、それほど現実離れしたものではなく、世の中にいくらもありそうな気がします。
ただし細部の描写などで、現実はこうじゃないなあ、と感じられることも多いのです。
まあ娯楽作品とはそんなものでしょうか。推理小説を読んで現実の犯罪捜査を適切に理解できるわけでもないでしょうから。
巻末の用語集は、一般向けとはいえ、いや、であるからこそ、もう少し適切な説明があってしかるべきと思われるものもありました。