味わうもの

ラーメン屋で、客席がすべて横並び、ひとりずつ衝立で仕切られ、食事中は眼前に暖簾の下りるといった店があります。
わたくしがたまに出没する店は、会話御法度というわけではなく、希望すれば複数人まとめて席に案内してくれるようですし、同行者どうし会話してる例もよく目にします。
九州で長く店舗展開してたのが最近東京に進出してきたとのことです。


店側の考えとしては、客は喰ふことに専念してほしいのだとか。
それ以外、店に入ってから出るまでの間、これでもかというくらいの能書きが目に入ります。
これらは大いなる勘違いといえるのかもしれません。


でも、まあ、たまに食べたくなるほどの品質です。
基本のラーメン750円は少々高めですが、料金内で詳細注文ができるのもよい。
すなわち、麺のかたさ、味の濃淡、脂やにんにくや唐辛子たれの量、焼豚や葱の有無、等々をつど指示するのです。
私がこの種のラーメンに求めるもののうち、獣脂くささ以外は概ね満足できる水準です。


ひとりしずかにラーメンなどいただくときは、自分に関係ない他の客は存在するよりしないほうがよいと思うことがあります。禁煙はとうぜんとして。
養鶏場のようにみえる店も、稀には世に存在してもいいのかもしれません。
ただし同行者を伴って行くところではなさそうです。会話をたのしみたければ、それにふさわしい店に行けばよいのです。
私はひとりのとき、ラーメンを器や能書きや価格や店舗内装で、味わっているわけでもないと思います。


類似例について少々、morio0101さんの日記で話題になってました。