遥かなる読後感

年末近いせいか、読みっぱなしになってた本なども少々気になって。
1さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書) 2女子大生会計士の事件簿 Dx.3 神様のゲームセンター (角川文庫)
1 山田真哉「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?―身近な疑問からはじめる会計学光文社新書、光文社、2005年。ISBN:4334032915
2 同「女子大生会計士の事件簿〈DX.3〉神様のゲームセンター」角川文庫、角川書店、2005年。ISBN:404376703X
  (初版「女子大生会計士の事件簿〈3〉」英治出版、2004年。ISBN:490123448X)
3 木村剛「『会計戦略』の発想法 日本型ガバナンスのスタンダ−ドを探る」日本実業出版社、2003年。既出


いや昔の話だ。1を読んだのは暑い盛りでしたか。その後すぐ2が出たのでこれも講読。いずれも詳細忘れてますね。
1はまたぞろ企画や書名で売れた本という印象が強いのです。これを読んだ多くの人が、会計とはこういうものかと思っては困るという気がします。などというわたくしにして会計のなんたるかがわかってるわけではないのでありますが。とはいえ。
第一に、貸借対照表の概念を抜きに会計を説明しようとするところ隔靴掻痒の感あり。
第二に、開示や内部統制の手段としての視点に乏しいように思われたことです。たとえば3と較べよ。


さらに昔話ですが。不肖わたくし、複式簿記貸借対照表残高とその変化の側面から主としてとらえ、以て企業財務を記述・読解するための言語・手法とせんとする企てを試みたことがありました。公称8万部の無料月刊誌に2年ほど連載執筆してたのでした。
そのときの手法を1に生かし、かつ既出拙稿のような視点を盛り込めば、入門概論書としては天下無敵ならむと己で豪語しておきませう。


2は前作*1同様面白い。
娯楽作品に磨きがかかる?1よりよほど会計の本質に迫っているような気がいたします。

*1:6/27付