共存のために

名古屋市内で自転車専用レーン整備との報道に接す。
かつて「自転車専用レーン」に関して書いたことなどをまとめると大略次のようです。


すべての道路に「自転車専用レーン」を設けることはできない。「自転車専用レーン」のない道路で自転車は他の交通手段と如何に共存すべきか。
自転車は交通手段として自動車のもつ機能の一部を代替しうる。この可能性は自転車が車道から排除されると減殺される。
法体系は一部の例外を除いてすでに各種交通手段の共存の方法を示している。規範で律しえないのは人の心ではないか。
現状の交通社会資本を前提に、人の心や行動を変えるにはどうすればよいのか。


詳細拙稿。
'04/10/7付「自転車レーン」'05/6/6付「人の心」、'05/7/27付「歩行者との共存」、同「一縷の光明」など。


読売新聞1/3付報道文詳細。

伏見通に自転車レーン 中区の国道19号 車・歩行者と完全分離 幹線道で全国初


 国土交通省と愛知県警、名古屋市は、同市中区を走る国道19号線(通称・伏見通)に、幹線道路としては全国初の自転車専用レーンの整備を決めた。市中心部では自転車利用者が多く、歩道を走る自転車と歩行者の接触事故や、無秩序な歩道上の駐輪が問題になっている。専用レーンの設置は、歩行者と自転車、車の3者を完全に分離し、新たな道路モデルとするもので、5月に着工、来年度中の完成を目指している。


 国交省名古屋国道事務所などによると、19号線の若宮北―日銀前交差点間約1・2キロで、片側4車線のうち道路両側の歩道沿いの各1車線を自転車レーン(幅2メートル)と駐輪場(同)、車の荷物の積み降ろしなどに使う「停車帯」(幅2・5メートル)として整備する。


 歩道を含めた道幅全体は広げず、中央分離帯などを細くして、専用レーンなどのスペースを確保する。レーンの車道側には、ガードパイプなどを設けて安全を図る。


 また、対象区間沿いには、オフィスビルや飲食店などが立ち並び、歩道側の1車線は荷降ろしなどの車が頻繁に停車しているため、避けようとして車線変更する車が多く、事故や渋滞の原因になっていた。しかし、車線は減少するが、停車帯の整備で車の流れもスムーズになり、事故防止にも役立つとみている。


 県警や名古屋市などでは、現状を把握するため、昨年12月からこの区間で、自転車の利用者や荷降ろし中の運転手らを対象に、通行目的や停車時間などのアンケートを実施しており、今年度末に調査結果をまとめ、4月には現地の工事測量に取りかかりたいとしている。


(2006年1月3日 読売新聞)