現実をきりとる価値観

都心が原野と化した!
地形の起伏を緑の濃淡で表現すると、赤坂とか永田町とかもまるで原野のよう。
現実をきりとる価値観が変わると風景が変わる。

おのひろきさんの「履歴もしくは日誌」19日付で知った下掲書、早速購入しました。
ビッグ・ショット 取材・執筆「シティサイクリングマップル東京」昭文社、2007年。ISBN:9784398133366
[rakuten:book:12045314:image] 表紙デザイン 安藤久美子(ナッツ)


色による地形表示と併せて、道路の勾配を橙色の濃淡で表現しているのですが。
どっちが高いんだか、どっちが上りなんだか、今ひとつわからないところがあります。
まあ、川のほうが低いんだろうとか、なんとなく雰囲気で類推できそうなんですけどね。
やはり等高線にまさるものなしという気がします。道路と等高線と集落を重ねても、市街地などでも見やすくするくふうはないものか。


文庫版、厚さ実測約9mm、質量同約135gで、携帯には手ごろです。
でも、だいたい環七の内側が1/12500はいいとして、その外が1/25000というのはちょっと大雑把すぎるかも。
東中野から吉祥寺あたり、池尻大橋から喜多見あたりがそれぞれ見開きで2面分という感じですね。


1/12500の図には「路肩幅情報」というのがあります。
道路端に沿って黄色の帯が付され、その幅によって、0.5m以下から2.1m以上を4段階に分けて表示しています。
路肩というのは、車道の左側端部分のことなんでしょうね。であれば、車道の走りやすさを知るめやすにはなりそうです。
ただ、こういうところって、違法駐停車に占拠されてることも多いんですよね。


地図記号では、コンビニ、ファストフードの所在、名所旧跡や注目店などの情報に加え、次のようなものが有益と思われます。
 自転車駐輪場(有料)/同(無料)/自転車店/レンタサイクル/サイクリスト歓迎店/自転車通行禁止/公衆トイレ


とはいえ、地図帖機能を徹底しきれていないところも少々。
索引は主要施設についてのみ、1頁半ほどしかありません。せめて鉄道駅名の索引くらいはほしいところ。
さらに慾をいえば、せっかく「サイクリスト歓迎店」など選定してるのだから、一覧できるといいのに。
反面、巻頭には初心者向けの記事4頁、推奨のコース8種16頁が割かれています。


この1冊を手にして、自転車に興味を持ち、東京を走ってみようという人が増えると、いいのですけど。
交通法令や走行マナーなどに関する記述は申訳程度で、この種の本には期待するのが無理なのかもしれません。