自転車のない環境
区の町会連合会総会で市当局から紹介があったので(略)環境ミーティングというものを見に行くことにした。
「市長から説明し、市民・事業者の方々と意見交換を行います」というから、市長に問答ぶってくるかというわけで。
近ごろの「環境」とか「エコ」とかいうことばやその周辺概念のようなものにはどうにも胡散臭さを禁じえないのであるが。
もとより「エコのために」自転車に乗るつもりはないが、「エコのために」自転車の走行環境をより快適にすることができるならイタダキであろう。
冒頭から市長の長広舌、次いで電力会社も制限時間を大幅に上回る宣伝、さらに鉄道会社もそれに輪をかけた。
学者の話は含蓄に富むように思われたのに、自ら「時間がなくなってきたので私のところで取り戻します」といって短く切り上げられた。
予定されていた休憩時間も、会場からの発言も書面質問に対する演者たちの回答も中止。
それで残された時間、壇上での討論は司会者の設問のせいか頓珍漢な質疑に終始した。
そして、自転車ということばそのものがついに1度も聞かれぬまま閉会を迎えた。
質問・アンケートの用紙に記入して提出した内容は次のとおり。住所氏名とメールアドレスを記して書面回答を求めておいた。
1 自家用車の交通量(ガス排出量ではなく)を削減するために具体的に何をするか。
「公共交通機関の利用しやすい環境の整備」(パブコメ資料5頁*1)とは具体的にどういうことか。
徒歩や自転車利用促進のために自動車の利便性を犠牲にする道路行政・交通行政が必要ではないか。
2 例えば小田急バス*2など、「アイドリングストップ」を喧伝しながら、乗降時・信号待ちなどでエンジンを止めていることは極めて稀である*3。
事業者の自律、行政による適切な指導が必要ではないか。
市・業者の宣伝で時間が無駄に費やされ、質疑ができなかったのが残念。参加の意味が半減した。
パネラーが2つの条例*4の利害関係者を代表しているとは思えない。
結局、パブコメで好意的意見を醸成するための催しだったのかという印象を拭えない。
*1:日記転載時註: 会場配布資料「(略)地球温暖化対策条例の基本的な考え方について」。
*2:同: 当日出席の鉄道会社傘下。
*3:同: 始発客待ちのエンジン停止は永年にわたる声かけにより概ね徹底されるようになった。'04/2/20付「当事者への話しかけ」。
*4:同: 註1記載ほか同「『環境に配慮した運搬制度(エコ運搬制度)』の導入について」。