そうかい

某社定時株主総会に特命を帯びず潜入、前から十数列めに着席。
背後には前の4倍以上の席がある。


株主総会は法定の議決機関であるのみならず、経営者と株主の対話の場たりうるはずだ。
経営者が株主の声に耳を傾け、自分のことばで方針を、哲学を語り、株主の理解を求める。
しかし今次総会運営からはそのような姿勢は微塵も感じられなかった。
そもそも殆どの質疑で対話が成り立っていない。


大株主2名の委任状で過半数の議決権を有するというなら、それだけで役員選任の普通決議は通るし定款変更の特別決議は否決できる。
では何のための総会か。
決議取消しの訴えに耐えるため、「決議の方法が(略)著しく不公正」*1とされないだけの事実を積み上げる総会。
そんなことはわかっている。しかしああまで露骨にやるとは。
いや、これまで報道や文献で接してきたかぎりでの当社の姿勢からだけでも容易に想像しえたかもしれない。


6時間9分の間、何が起きてもそうそう驚くことはなかった。「将来に希望はない」と会長が述べたことのほかは。
希望がないのはわかっている。会長が総会で言い放つとは思わなかった。

*1:会社法 第831条第1項第1号。