禁断の狗

炒め肉とのことだが、茹でたようにさっぱりした感じ。肉、脂、ゼラチン質のようにさまざまな部位を含む。
薬味はやんにょんじゃん風の辛味噌と葱、香草など。


食感は子羊のようなやわらかさ。そこはかとないくさみ。というより、まるで和風だしのような、あっさりした獣のかおり。
肉を噛んで味わううち、かおりの奥に感じられてくるのは、我が家の駄犬あゆの体臭に共通するものだった。
それがそのまま感じられるのではない。味わいはあくまで良質の獣料理である。
ただそこに、日ごろ接する犬のにおいと共通するなんらかの要素が、まちがいなく存在する。