タクシーの思ひ出

"Column@nak"July 05, 2004「タクシー」をうけて。


タクシーは贅沢でした。
就学前後のことと思います。生家で何か誉められて、ご褒美何がいい?と問われ、出かけた帰りに駅から家までタクシーに乗りたい!という願いが叶えられることになりました。
西武線鷺宮から歩いて10分もかからないところなんですけど。おまけに、徒歩なら妙正寺川沿いに近道を行けるのに、車だとずいぶん遠回りになるのです。車中、祖母が運転手に「近いのに悪いねえ」と頻りに謝るのを、子供心にも、こっちは客なのにね、と思ったことでした。


高校は、横浜駅から歩いて20分ほどの丘の上。バスの便もありましたけど、殆ど歩いてました。ごくまれに友人につきあって乗るくらい。
級友の中には、4人で乗ればバスより安いという理窟でしばしばタクシーを使うのもいましたね。


就職して、帰りの遅い日が続き、電車で座って寝る時間が貴重でした。
しかし不幸にして寝過ごすと、小田急は上りの終電が下りに比し極端に早いのが罠。おまけに急行だと次の停車駅までが長いのです。
一瞬の目覚めの遅れが4千円のタクシー代出費となる、という事態が月1回くらいの頻度で出来したものです。


仕事で木曽福島の客先に向かう途中のできごと。塩尻で特急を乗り換えます。
中高生のころさんざん利用した駅なのに、駅移転改築で、往時の面影はありません。
名古屋行きに乗ったつもりが、なんだかようすがおかしい。松本に向かってる!
駅移転に伴い、乗換え列車の進行方向が以前とは逆になっていたのでした。万事休す。
次の列車では約束の時刻に間に合うはずもなく、松本から木曽福島までタクシーを使うほかありませんでした。
2万円くらいかかったでしょうか。クレジットカードで支払いました。