即席講座

「miharuqのひとりごと」28日付にて、青函トンネルの話題。
こぐ書庫内鉄道書架を探したら出てきたのが下掲書*1、漫画仕立てのわりには技術的な解説も詳しそう。図解や写真も豊富です。
'76年5月の出水事故については、謎和田さんがコメント欄で紹介された記事とほぼ同様の内容が、もう少し詳しく描かれています。
ということで、漫画をぱらぱらめくってわかったことは次のようです。


トンネルは3本が並行して、次の順に掘り進められていた。
1 先進導坑。地質や水脈などを探りながら掘られ、完成後は換気・排水に用いられる。
2 作業坑。機材、物資、排土の輸送などに用いられ、完成後は保安通路となる。
3 本坑。新幹線の複線の容量をもつ。3階建てのビルが入るくらい。
出水したのは作業坑。先進導坑のもっとも低いところにはポンプ座があり、これが水没するとトンネル全体が水没する危機を招くことになる。
工期への影響を局限するために本坑を守る、との意見を排し、水を本坑に逃がして先進導坑を救う策が奏効した。


>入り込んだ海水の勢いは毎秒何万トン(?詳しい数字は忘れた)
出水の量は毎分数十トン。最大80トンくらい。


>土嚢で海水の流入が防げるのか?
防ごうとしたが何度か破られた。土嚢ではなくセメントの袋を何万個か使った。


>海水をくみ上げるポンプはどういうしくみになっているのか?なが〜〜〜いホースを使ったのか?
しくみは不詳。1台毎分5トン程度の排水能力。地上への排水は先進導坑の斜坑から行われたらしい。斜坑は垂直に近く、本坑や作業坑より短距離で地上に出る。ホースというか、パイプのようなものを使ったのでせう。


>いったいどうやって海水の入口を閉じたのか?←技術的に
排水を続け、切羽の出水箇所にセメントミルクというものを注入して固めたらしい。
結局、作業坑はこのときの出水箇所を迂回して掘らざるをえなくなった。