歩道での警音器使用


1.法令要旨
法令の定めは大略次のようです。すなわち、
1.1 自転車が歩道を走ることは原則禁止で、例外として認められるという構成です。
1.2 自転車が歩道を走るときは、徐行しなければなりません。
  また、「歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない」のです。
  歩行者は自転車に進路を譲ったりする義務はありません。
1.3 歩道上や自転車に限らず、警音器を鳴らすことは原則禁止。例外は「危険を防止するためやむを得ないとき」などです。


2.解釈
法令の定めから、次のようなことがいえると思います。すなわち、
2.1 歩道では、自転車は警音器を鳴らさねば危険を防止できないような走り方をしてはならないはずです。
2.2 なぜなら、歩行者の妨げとならぬよう、自転車は徐行したり、一時停止したりしなければならないのですから。
2.3 以上から、自転車の進来を歩行者に知らせるために警音器を鳴らすことなど、法令が容認しているようにはみえないのです。


3 法令文

道路交通法


3.1
第17条第1項 
車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。
ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第47条第3項若しくは第48条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
第63条の4第1項 
普通自転車は、第17条第1項の規定にかかわらず、道路標識等により通行することができることとされている歩道を通行することができる。


3.2
第63条の4第2項 
前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならず、
また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。


3.3
第54条第2項 
車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。
ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。


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