追越しの側方間隔

おのひろきさんからあてにされちゃいましたー。

確か交通事故の判例なんかには,自転車は 1 m くらいは,左右にふらつくものだから,自動車での追い越し時には十分な幅を空ける義務があるとかっていう話があったように思います.

追越しの時、追越される車両との間にとるべき間隔について、法令や判例が具体的な数値を示しているわけではありません。


道路交通法 昭和35年6月25日法律第105号

第28条第4項 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条において「後車」という。)は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

「できる限り安全な速度と方法で」とはどういうことか。現行法制以前の判例が参考になりそうです。


東京高裁判決 昭和33年3月5日

自動車運転者が、足踏式二輪自転車で通行している者の傍らを追い越そうとする場合には、警音器を吹鳴して注意を喚起する必要のあることはもちろんであるが、その者にあまり接近して進行するときは、たとえ、こちらから自動車を衝突させないまでも、足踏式二輪自転車に乗っている者は、自動車の速力による風圧や、震動、過度の精神的緊張等によって平衡を失い、倒れかかって接触することもあるから、自動車運転者たる者は、このような事態が発生しないように、同車との間隔に十分の余裕を保持して進行すべく、もし、前方からくる車とすれちがう等の関係上、その間隔を保つ余裕がなければ、一時停止して対向車をやり過ごす等、事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務がある。

追い越される自転車との間に十分な間隔をとれなければ、自動車は一時停止しなければならないこともある、という考え方です。
警音器吹鳴の必要に関しては、現行法制との間に齟齬があるように思います。


自転車レーンに関する所見は、また改めて。


翌日付につづく。