salt tomatore

風呂上がりといえば、ぐいぐい呑む牛乳、腰に手をあてて、
ということらしいのですけど。


小学校1年から3年まで暮らした千駄ケ谷の社宅には戸別の風呂がなく、敷地内の共同浴場を使うことになってました。そこが休みの日は、父と大通り商店街の風呂屋へ。こども15円。
帰り道、父が商店街の牛乳屋で飲ませてくれたのはなぜかトマトジュースだったのです。牛乳壜に入ってて、側面に赤字で「生」とか印刷してあるようなやつです。
風呂上がりにしおからいトマトジュースというのはぞっとしないものでした。
ほんとは、フルーツ牛乳かなんか、飲みたかったんだけど。京王電車みたいな色のやつ。でも言い出しかねて。


そのころ、8種類の野菜の入ったV8野菜ジュースなんてのも売り出されてました。
最初は期待して飲んでみたけど、なんだ、トマトジュースを苦くしただけか、といった感じ。しおからさは同じでした。
V8とは、V型8気筒か、日産プレジデントか、とか思いながら。


テレビの宣伝で、故郷の母が息子の名を呼んで、方言で語りかけるのがありましたね。
「こぐすけ〜、野菜をとらなきゃ、だめじゃなあきゃ」とかって。
あれって、どこの会社でしたっけ。カゴメでしたっけ。


そして就職して最初の夏の終わり、KAGOME製、200mlくらいの紙パック入りのトマトジュース・野菜ジュース、食塩無添加!と衝撃の出会い。トマトも、野菜も、こんなに甘かったんだー。
それ以来、ふつうのトマトジュースも野菜ジュースも、塩水みたいでとても飲めなくなりました。


今年の夏は、「カゴメ夏しぼり2004」というのをひと箱取り寄せて飲んでました。
トマトジュースに適した品種で、夏に収穫したてのものを缶にして、通販だけの限定販売だそうで。ちょっとすっぱかったけどね。


それが終わっちゃったので、野菜ジュース買いおきしとかなきゃ、1l入りくらいのないかなあ、と思ってたところでみつけたのがデルモンテのやつです。
買ってきて家でよくみると、、なになに、「野菜のおいしさ引き立てる シチリア島のまろやか岩塩仕上げ」だって!
ありゃー、塩水かー、と思って飲んでみると、、昔ほどはしおからくありません。さすがシチリアーノだけのことはあるか。
原材料をみると、トマト、にんじん、セルリー、レタス、キャベツ、パセリ、ケール、ブロッコリー、ほうれん草、朝鮮にんじん、ピーマン、食塩、香辛料、とある。なるほど、深く奥ゆかしい苦味は朝鮮にんじんのせいか。ケールってなんじゃら。


まあ、今どきの塩入り野菜ジュースも悪くないかなあ。
でも、ちょっと喉が乾くような気も、しないでもありません。難しいところです。