食2題

一昨日麦酒宣伝について書いて思い出しました。近刊から。

 ラットを用いた我々の実験では、彼らは例えば清酒やビールをほぼ完璧に飲み分けることができる。(略)。
 我々の実験では、ラットが選ぶビールの銘柄と、人間が極限近くまで大量に飲んだときにまだおいしく飲めるビールの銘柄とがほぼ完全に一致した。

1 伏木亨「人間は脳で食べている」ちくま新書筑摩書房、2005年。ISBN:4480062734
最近多い題名釣り新書の例とは異なり、とりあえず概論書の体をなしてるかという気がしました。
おいしいという感覚を4つに分けて分析。すなわち、生理的な・食文化の・やみつきを誘発する・情報の・という4種。
ただ、書名の命題を十分に論証するにはもっと広汎な領域を対象とせねばなるまい。
1人間は脳で食べている (ちくま新書) 2魯山人の食卓 (グルメ文庫)
2 北大路魯山人魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所、2004年。ISBN:4758431310
この著者を読むのは初めてにして全篇にわたり我が意を得たりの連続。たとえば。

好きなものでなければ食わぬと、決めてかかることが理想的である。
 (略)。偏食が災いするまでには、口のほうで飽きが来て、転食するから心配はない。

我が余生はこれでいこう。