本日付各紙報道

太字引用者。

NIKKEI NET
子供の自転車、歩道もOKに・警察庁の懇談会提言


 自転車の通行のあり方などを検討している警察庁の「自転車対策検討懇談会」(座長、岸田孝弥・高崎経済大学教授)は30日、子供が運転する場合や、車道を走るのが極めて危険な場合について、歩道通行を認めることなどを求める提言をまとめた。警察庁は、来年の通常国会道路交通法改正案を提出する方針。
 自転車は道交法上の「車両」にあたり、車道を走るのが原則。幅が広く歩行者の往来が少ないなどの基準を満たす歩道に限り、各公安委員会が自転車の通行を認めている。これ以外の歩道を走れば道交法違反だが、実際に適用されるケースはほとんどない。
 幼児や児童が運転する自転車はスピードが出ていないため、歩道を走っても歩行の妨げにならないことが多い。また、車の通行が激しい場合、自転車が車道を走ると事故などに巻き込まれる危険がある。このため、提言では「児童、幼児の運転」や「車道通行が著しく危険な場合」など、要件を限定して自転車の歩道通行を認めるべきだとしている。 (13:26)

Sankei Web
自転車の歩道通行解禁へ 子供運転や危険車道に限定


 自転車の通行区分や運転マナーについて協議を進めてきた警察庁の「自転車対策検討懇談会」(座長・岸田孝弥高崎経済大教授)は30日、児童、幼児による運転や、交通量が多く車道が危険な場合に限り、歩道での自転車通行を認める提言をまとめた。
 現行道交法では、自転車通行を認める標識が歩道にある場合を除き、自転車は車道を通行するのが原則とされている。提言を受け警察庁は来年の通常国会に自転車の歩道通行を認める道交法改正案を提出する方針。
 提言は「自転車が絡む事故は年々増加し、全交通事故の約2割を占める。自転車の安全な利用を促進する対策が必要」と指摘し、子供が運転する自転車などの歩道通行を認めた。
 歩行者と自転車の通行区分については、モデル地区を設定し警察と道路管理者、地域住民らが協議して意見を集約しながら決めていくことを提案。自転車の速度や一時停止すべきケースを具体的に明示すべきだとした。
 さらに警察と学校が協力し、従来の小学生を対象にした自転車安全教育を、自転車通学が多い中学生、高校生にも実施するよう求めた。
 一方で、信号無視や酒酔い運転など悪質で危険性が高い自転車の交通違反に対しては、警察が交通切符を適用し、積極的に摘発すべきだとの考えを示している。
 懇談会は、平成22年までに年間交通事故死傷者数を100万人以下にするとした政府の「第八次交通安全基本計画」の目標達成に向け設置された。
    ◇
 ■自転車の交通事故 警察庁によると、平成17年は約18万3千件で、10年前の約1・34倍。全事故件数の19・7%を占める。死傷者数は約18万人。事故のうち73%が交差点で発生し、自転車と車の出合い頭事故や、車が右左折する際の事故が多くなっている。事故の当事者を年齢層別に見ると、13−19歳が最も多く22%、次いで65歳以上が16%と若年者と高齢者の割合が高くなっている。
(11/30 10:42)

asahi.com
自転車、歩道走行認めるルール作り 事故急増で警察庁
2006年11月30日17時42分


 自転車が走るのは歩道か、車道か――。道交法上は「車両」として、車道通行を義務づけられながら、実際には歩道走行が黙認されてきた自転車のあいまいな位置づけを警察庁が約30年ぶりに見直す。歩行者をはね、自転車が「加害者」になる事故の急増を重くみた。来年の通常国会に提出する改正道交法案に歩道を走れる要件を定め、位置づけを明確化する。


 自転車の事故件数の変遷(グラフ・略)


 国民の3人中2人に普及する身近な自転車だが、「車道の左側端を通行する」と定めた道交法の原則は78年以降、変わっていなかった。「自転車通行可」の交通規制がある歩道が約4割にとどまっているなかで、多くの自転車が歩道を走り、一方で検挙されるケースはほとんどなかった。
 昨年1年間に自転車が歩行者をはねた事故は2576件で、10年前の4.6倍。背景には、自転車利用者の増加や運転マナーの悪化があるとみられ、自転車が関係した事故全体でも1.3倍の約18万3000件に増え、全交通事故の2割を占めた。
 また、健康増進や環境保護対策の観点からさらに自転車の利用増加が予想されるため、同庁は4月、識者がつくる懇談会に、自転車の安全利用のあり方について諮問し、30日に提言を受けた。
 改正法案では、車道左側端を通行する原則を維持するが、「子どもや高齢者、買い物目的での利用」と、「車道通行が著しく危険な場合」に限って歩道走行を認めるべきだとした提言に沿って、具体的なケースを規定する。
 また、昨年の自転車乗車中の事故死者846人のうち、約7割が頭部損傷が死因になったことがわかり、幼児・児童を中心に自転車利用者にヘルメット着用を求める規定を改正法案に盛り込めないか検討する。
 マナーの悪化に対し、同庁は4月、信号無視、一時不停止、明らかな酒酔い運転など悪質性の高い交通違反に対して交通切符による積極的検挙を行うなど、自転車利用者に対する取り締まり強化の方針を全国の都道府県警察に通達している。