十三七つ

晩く帰宅して、また例によって駄犬あゆはお迎えに出てこないな。
小屋に入ったきりかな、と思いつつ庭のほうへ向かうと、足元がいやに明るい。
そうか今宵は十三夜でありましたか。いや、昨日だっけ?


十三夜で思い出しました。
祖母がよく唄ってくれた子守唄のようなものを断片的な記憶からを再現してみると。

お月さんいくつ 十三七つ まだ歳ゃ若いね あの子を産んで この子を産んで
誰に抱かしょ おまんに抱かしょ
おまんどこ行った 油買いに 茶買いに 酒屋の縁台で 油一升こぼした
その油どうした たろどの犬と じろどの犬が みんななめて しまった
その犬どうした 太鼓に張ってしまった
その太鼓どうした あっち持ってきどんどんどん こっち持ってきどんどんどん
それからどうした 火にくべてしまった
その灰どうした 畑にまいてしまった
…(数節不詳)…
一里先二里先 ふっとんだ

十三七つとはいかなる意味でせう。十三夜に関係あるのかな。
それにしても、犬を太鼓に張ったり灰を畑にまいたり、古き日本を思わせる内容ですなあ。
一休さんでしたか、客の着ている犬の毛皮のちゃんちゃんこを太鼓の撥で叩くなんて挿話がありましたっけ。


灰をまいた後は、どうなって何がふっとんだんだか、さっぱりおぼえてないのですが。畑あたりで眠りに落ちることが多かったのかな。
いつか天国に行ったら祖母にきいてみるとしますか。


もしやと思って検索してみたら、NPO法人日本子守唄協会内検索で「お月さんいくつ」類似の唄が11例判明。
新潟から熊本まで広く分布してます。
十三という値とか、犬が油をなめて太鼓に張られるあたり、多くに共通してるようです。ふしぎ。