あらふしぎ

kogkog2007-12-07


きのふの夕餉850円。


職場の人影も疎らになり、仕事を続ける意慾が減退しかかるちょうどその時。
部下のひとりが窓外を眺めながら、「あの建物にできたラーメン屋ご存じですか?」って。
いや存じませぬ。これから行ってみますか。ということになりました。


建物2階に野上彌生子の作品を思い出させる店名の看板。1階は健全な市民なら瞬時に目を逸らす類の店ですよ。
とりわけご婦人や青少年や人目を気にされる向きには入りづらいかもしれません。
でもそのおかげで2階が混雑しなくていいかも?


この店の呼びものは、あら炊きでだしをとる塩ラーメンだそうです。麺類はそれとその辛版の2種だけです。
魚種は毎日のように変わるとのことで、本日は掲示によるとイサキ、金目鯛、平目、鮭、鯛。
さすがにこの5種をかぎわけることは難しそうですが。


極細麺と相俟って、あっさり系塩の極致という感じです。
具材の鶏つみれと蝦つみれのほうがむしろ濃い味に感じられるくらい。
薬味も白髭葱、茗荷、針生姜、大葉、糸唐辛子の5種で、それぞれが塩汁と調和して多様な風味を醸します。


焼きおにぎりには蒲焼ふうのごく薄い味つけがしてあって、山椒粉をつけていただきます。
ラーメン汁につけてもまたよし。


最後に、塩など味付けしてないだし汁を別椀にいただき、ラーメン汁を割って飲み干します。
だし汁だけ啜ってみるとじつに淡白。ナマグササはありません。
煮干や鰹節や昆布などのしっかりした魚介だしに較べるとものたりないようで、あるいはこれはこれであら炊きの持ち味のようでもあります。


麺以外の品揃えにはへしこ茶漬なんぞもあり、次回に期待募る。