今そこにある

8日付コメント欄からつづく。
下掲書の次のような視点は私にとって既知または馴染み深いものであったとはいえ、それをどれだけ現実にひきつけてとらえていたかといえば甚だ危うい。

新型インフルエンザ対策は、病気治療でもなければ医学研究でもない。いまだ発生していない感染症に対する危機管理対策の範疇である。

事実を知ること。それが危機管理の端緒となるが、もしかしたらそれは対策の大部分を占めているのかもしれない。

情報はすべて国内のマスコミに依存している日本人。そして、そうした日本社会に対する責任感が稀薄なマスコミ。いやもっと大胆な言い方をするなら、マスコミ自体による報道管制が敷かれても何も気づかない可能性のある日本社会。

現状について新たに学んだ点は多かった。
新型インフルエンザ・クライシス (岩波ブックレット)
外岡立人新型インフルエンザ・クライシス」岩波ブックレット岩波書店、2006年。ISBN:9784000093828 (4000093827)