規範を正す

最高速度 実態に合わせ / 警察庁、見直し指示 / 駐禁緩和も 日経新聞本日付朝刊14版
道路交通環境の変化などを受け、警察庁は29日、「最高速度」「駐車」「信号機」の3点に重点を置いて交通規制を全面的に見直すよう全国の警察本部に指示した。(略)
 交通規制全般についての集中的な見直しは初めて。同庁は「実態に適合しなくなった規制を放置すれば、かえって交通事故の原因となり、規制に対する国民の信頼や国民の順法意識を損ないかねない」としている。
 (略)

一読、けっこうなことであるようにみえる。
下掲拙稿に記した考えが貫徹されるかぎりでは。

'04/1/23付「『道路交通法改正試案』に対する意見」


1. 規範と取締りの公平


1.1 法令など規範のある社会で、規範が遵守されない状態は、次のような点で問題がある。
 第一に、規範の遵守によって実現されるはずの目的が実現されないこと。
 第二に、規範は遵守されなくて当然という風潮が社会に蔓延しかねないこと。


1.2 規範が遵守されていないとき、社会がとりうる道は次のようであると考える。
 第一に、規範を改める。遵守が困難な規範は、その目的とするところを達するために必要でない要素があれば変更を加え、遵守をより容易なものとする。
 第二に、規範が遵守されるべき手だてを講ずる。


(略)

'06/10/20付「自転車総合対策(中間のまとめ)について」


3 自動車等の取締り強化と公安委員会の弾力的意思決定


 車道における自転車の脅威となりうる自動車等の違法行為について取締りを強化する。
 少々の違反なら取締りを受けない、などと自動車等の運転者に広く蔓延する悪しき認識を払拭することもねらう。
 

 併せて、公安委員会による規制について常時見直しを行い、交通の安全と円滑のために適切でないものを改める意思決定を弾力的に行う。
 以上から、適切でないきまりは改められること、きまりを守らなければ罰せられることを徹底し、自動車運転者の遵法意識を高める。

以下想定問答。
問「エラソーなこと言ってる本人だって、速度違反くらいしてんだろ。」
我「してません。指定速度が30km/hでも20kmでも。」
問「自転車で一時停止なんかしてないだろ」
我「してます。標識や停止線の手前とか、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断する直前とか。」


自転車横断帯の通行に関しては少々複雑なのでまた改めて。
既出拙稿'07/2/12付「『懇談会』審議過程概要」'08/4/5付「パブリックコメント提出稿」ほか。