だまってこねる
高校のころだったか、蕎麦掻というものを知り、自分で粉を買ってきて作ろうとしたらうまくできなかった。
先般カップ入りを池袋某所で見つけた。包装に曰く
「熱湯を注ぎ、あわてず さわがず こねるだけ」
「そば粉100% つゆも 付いてる」
「煮なくても ゆでなくても 美味しく出来る」
「いつでも、誰でも 手軽く 失敗せず」
さてうまくいくのかな。
湯を注ぎながら混ぜるとよさそうだ。でもひとりでは難しい。
薬罐だと注ぐのに時間がかかるので、鍋で沸かしていっきに注いですぐかきまぜる。
しかし。カップの中はだま状の塊と液体に分かれてしまっている。
こりゃ失敗かな、と思いながらなお混ぜ続ける。いつのまにか全体がひとつの塊にまとまっていく。
だまに蓄えられた粉がしだいに溶け出してきたようだ。最後には均質な粘りけの蕎麦掻ができあがった。
原材料表記は蕎麦粉のみで、溶かすための添加物はない。粉と湯の分量が適切ならうまくいくものなのか。
蕎麦そのものを味わうには蕎麦切より蕎麦掻が適しているような気がする。