公共的施設における禁煙条例の基本的考え方に関する意見

発端は昨年3月28日の街頭対話。12月1日の集会でいいたかったことも含めて起草、本日 snail mail にて発信しました。


募集要項は「『神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)の基本的考え方』に関する意見の募集について」。
「考え方」の全文と註釈は「神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)の基本的考え方にご意見をお寄せください!」に掲げられています。

2008年5月23日
神奈川県保健福祉部健康増進課 御中
(住所・メールアドレス・電話番号・自署)


「神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)の基本的考え方」に関する意見


本条例の基本的考え方の趣旨に賛同いたします。
この実現のために、加えて次のような価値観や文化を醸成するために、提案その他意見を申し述べます。


1) 人前での喫煙は迷惑行為である。
2) 屋外の喫煙も他人に健康被害と迷惑を及ぼす。
3) 他人の行為を迷惑と感じたときはその行為者に対してそれが迷惑である旨指摘するのは当然のことである。
  他人から迷惑である旨指摘されたときはその行為を中止するのもまた当然である。


1. 提案内容


1.1 迷惑行為としての位置づけ
「1目的」の(1)を次のように改める。
受動喫煙による迷惑と健康影響を未然に防止し、県民生活の平穏の保持と県民の健康の確保を図るため、県、県民等及び事業者の責務を明らかにする。」


1.2.屋外の喫煙抑制


1.2.1 県民等の努力義務
「1目的」の(2)を次のように改める。
「(2)-1 不特定多数の者が利用する公共的施設における喫煙の禁止を定める。
 (2)-2 不特定多数の者が利用する屋外の施設(道路や広場や公園など)における禁煙努力義務を定める。


1.2.2 施設管理者等の義務
「5公共的施設における禁煙に係る県民等及び公共的施設の管理者等の義務」「(2)公共的施設の管理者等の義務」を次のように改める。
「公共的施設の管理者等に、次のことを義務付ける。
 マル1 当該施設が禁煙である旨を表示すること。
 マル2 当該施設内(屋外を含む。)から吸い殻入れや灰皿などの設備等を撤去することなど。
 マル3 当該施設内(屋外を含む。)で喫煙をしている者を見つけた場合、喫煙をやめるよう注意するなどの措置を行うこと。」


1.3 迷惑行為の指摘と喫煙の中止
「3関係者の責務」「(2)県民等の責務」を次のように改める。
「マル1-1 受動喫煙の防止の重要性を認識し他人に受動喫煙させることのないよう努めること。
 マル1-2 いかなる場所においても他人から喫煙が迷惑である旨指摘された場合は喫煙を中止すること。
 マル2 県が実施する受動喫煙防止の推進に関する施策に協力するよう努めること。」


1.4 県民等の義務への反映
「5公共的施設における禁煙に係る県民等及び公共的施設の管理者等の義務」「(1)県民等の義務」を次のように改める。
「すべての者に、次のことを義務付ける。
 マル1 公共的施設においては喫煙してはならないこと。
 マル2 不特定多数の者が利用する屋外の施設(道路や広場や公園など)においては喫煙しないよう努めなければならないこと。
 マル3 いかなる場所においても他人から喫煙が迷惑である旨指摘された場合は喫煙を中止しなければならないこと。


2. 提案理由


2.1 迷惑行為としての位置づけ
人前での喫煙は他人に健康被害をもたらす以前に、それ自体、迷惑行為である。このことを条例の考え方に明定する必要がある。
受動喫煙の健康影響が重視されるあまり、健康影響が軽微であれば受動喫煙も容認されてしかるべきであるなどとの誤解が生ずることは避けなければならない。

 
2.2 屋外の喫煙抑制
室内の喫煙を制限する結果、屋外での喫煙行動の増加が予想されることから、これを抑制する策が必要である。
参考として、「屋外における受動喫煙防止に関する日本禁煙学会の見解と提言」(2006年)は次のように結論づけている。
「ひとりの喫煙者によるタバコ煙の到達範囲は直径14メートルの円周内である。複数の喫煙者が同時に喫煙する場合は、この直径が2〜3倍以上となる。」「屋外の受動喫煙を防止するための行政上の最上の対策は、路上および公共施設敷地内全面禁煙である。」
http://www.nosmoke55.jp/action/0603okugai.html


2.3 迷惑行為の指摘と喫煙の中止
喫煙する者は自らの行為が他人に迷惑を及ぼしていることに気づいていない場合がある。
受動喫煙の迷惑を受けている者がそのことを指摘しやすくする条件を整えることは、受動喫煙防止の実効を高める上で重要である。


2.4 県民等の義務への反映
 義務として定めるに必ずしもふさわしくないことであっても、むしろ条例制定を先行させ、以て価値観や文化の醸成を期する策をとる必要がある。そうせざるをえないほど、受動喫煙防止に関する人々の認識は残念ながら未だ不十分というほかない。


以上