原典
紙ナプキンに曰く、
祖父の代より90年…
織田作之助の小説「夫婦善哉」でおなじみの名物インデアンカレー・一筋の「せんば自由軒」
明治43年以来の伝統の味
そこで原典を探してみました。
千日前の愛進館で京山小円(きょうやまこえん)の浪花節を聴いたが、一人では面白いとも思えず、出ると、この二三日飯も咽喉へ通らなかったこととて急に空腹を感じ、楽天地横の自由軒で玉子入りのライスカレーを食べた。「自由軒(ここ)のラ、ラ、ライスカレーはご飯にあんじょう[#「あんじょう」に傍点]ま、ま、ま、まむしてあるよって、うまい」とかつて柳吉が言った言葉を想い出しながら、カレーのあとのコーヒーを飲んでいると、いきなり甘い気持が胸に湧(わ)いた。